3月20日(水)、東京大学小柴ホールにて第4回折戸周治賞の授賞式が行われ、小林富雄 東京大学素粒子物理国際研究センター教授、近藤敬比古 KEK名誉教授・同特別教授、山本明 KEK教授・超伝導低温工学センター長の3氏が受賞しました。
「折戸周治賞」は、平成基礎科学財団(理事長:小柴昌俊東京大学特別栄誉教授)が素粒子物理学に大きく貢献した、故 折戸周治東京大学教授の業績を記念して設けた賞で、衝突型加速器による素粒子研究、あるいはそのための加速器研究においてすぐれた成果をあげた研究者に対して顕彰が行われるものです。
今回受賞した3氏は、LHCによるTeV領域物理実験を開拓した功績や、ATLAS実験グループにおいて、日本のチームを形成かつリードし、国際的な共同作業の中心となって実績を上げて来た点などが評価されました。
近 藤氏は「1994年から2008年の間、ATLAS測定器の建設のとりまとめをさせて頂きました。高度で高性能な装置を製作し、期限内に建設でき ましたことは、KEKの多くの研究者の貢献・尽力の賜物です」と受賞の喜びとともに、チームへの感謝を述べました。また、山本氏は「LHC実験における超 伝導電磁石の建設に携わり、実験がヒッグス粒子の発見に辿り着けて、とても嬉しいです。これからも超伝導の技術を通して、折戸先生のご遺志であったリニア コライダーの実現に尽力していきたいです」と今後の抱負を述べました。