ILC誘致期待 経済効果4.3兆、雇用25万人

読売新聞

大 型実験施設「国際リニアコライダー(ILC)」の国内候補地に、本県を含めた北上山地が最適と評価されたことについて、県内各界が喜びに沸い た。実現への道のりはまだ遠いが、震災で疲弊した地域経済の活性化にもつながる巨大事業だけに、誘致に向けて関係者の期待は高まっている。

北 上山地への誘致を目指す「東北ILC推進協議会」で共同代表を務める里見進・東北大学長、高橋宏明・東北経済連合会会長(東北電力会長)は23 日夕、仙台市青葉区の同大で記者会見に臨んだ。里見学長は、「岩手、宮城両県など、協力していただいた方々に感謝したい」と、喜びをかみしめるように話し た。

今回は科学者らでつくる「ILC立地評価会議」が、日本にILCを誘致した場合に北上山地と脊振(せふり)山地(福岡県、佐賀県)の どちらが適地 かを評価したもので、国内への誘致に乗り出すかどうかは政府の判断に委ねられている。約8300億円に上るとされる建設費がネックとなる可能性もあるが、 里見学長は、「日本初の国際実験場で、将来の子供に夢や希望を与える役割など、お金に換えられない効果もある」と強調した。

一方、同協議会では、周辺への経済波及効果を約4・3兆円、雇用創出効果を約25万人と想定。高橋会長は「医療、IT、バイオといった分野を成長させるほか、新たな技術も生まれてくるだろう。初期投資は十分回収できるし、得るものは大きい」と話した。

震 災で甚大な被害を受けた本県にとって、ILCが復興に大きく貢献するとの期待も膨らむ。村井知事は「復興が進み、さらにILCが完成すれば、東 北全体がにぎわう。震災からの新たなスタートを切ることができる」と歓迎。実験用トンネルの南端が差し掛かる気仙沼市の菅原茂市長も「この地に新たな産業 が芽生えることは大きな光。人口流出にも歯止めをかけられるのでは」と手放しで喜んだ。

また、同協議会が制作した北上山地へのILC誘致 のPRビデオに出演した聖ウルスラ学院英智小・中学校(仙台市若林区)の伊藤宣子校長は、「子ど もたちにとって素晴らしいことだ。東北の復興や経済の活性化にもつながる。課題を一つずつ解決し、誘致に向けて前進させてほしい」と語った。