北上山地「ILC」候補地に 国内研究者組織が発表

河北新報

超 大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」の誘致を進める研究者組織ILC戦略会議は23日、東大で記者会見し、岩手県南部と宮城県北部にまたが る北上山地を国内候補地に選んだと発表した。今後、北上山地への建設に向けて、国に他国との協議着手を働き掛けるほか、計画の国際推進組織とともに具体的 な現地設計に取り掛かる。
候補地には北上山地と、佐賀県と福岡県にある脊振山地の2カ所が挙がっていた。
ILC戦略会議は1月、候補地一本化へ向け、物理学者ら8人でつくる立地評価会議を設置。約60回の会合を重ね、2候補地の地盤の固さや地質の形状、社会インフラなどを比較、検討した。
その結果、メンバー全員が建設リスクの少ない北上山地が最適と判断。地盤や地質、電力供給などの項目を点数化して算出した指標でも、北上山地が脊振山地を大きく上回った。
立地評価会議の共同議長を務める山本均東北大教授は「工期やコストなど技術的観点において北上が大きく優位であると結論付けた」と説明した。
ILC計画をめぐっては、日本学術会議が現時点での誘致表明に慎重な見方を示す答申方針を固めており、9月末にも文部科学省に提出する。下村博文文科相は今回の候補地評価と日本学術会議の答申を参考に対応を決める考えを示しており、今後は国の判断が焦点となる。
ILC誘致を目指す国は日本以外になく、実現すれば国内初の国際的な研究施設となる。

<大いに期待/村井嘉浩宮城県知事の話>
大変喜ばしい。日本、東北の新たな未来を切り開くプロジェクトとして大いに期待している。一日も早く国家プロジェクトとして立ち上げられるよう、東北各県の皆さんと力を合わせ政府などに働き掛けていく。

[ILC] 全長31~50キロの地下トンネルに設置する直線形の加速器。両端からほぼ光速まで加速した電子と陽電子を正面衝突させ、宇宙誕生直後の状況を再現し、宇 宙の起源を探る。研究者グループは2018年ごろの着工、28年ごろの本格稼働を目指す。建設費は約8300億円で、およそ半分を日本が、残りを他の参加 国がそれぞれ分担する。東北ILC推進協は、建設から30年間で4兆3000億円の経済効果、25万人の雇用効果があると試算した。