超 大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」の国内候補地を1カ所に絞る作業を進めている研究者グループ、ILC立地評価会議は16日、候補地の評 価結果を23日に東大で発表することを明らかにした。候補地を一本化した上で、日本政府に誘致に乗り出すよう働き掛け、調査研究に向けた予算要望などに取 り組みたい考え。
候補地は岩手県南部の北上山地と、佐賀、福岡両県の脊振山地の2カ所。
文部科学省が6月、日本学術会議にILC誘致の是非などを審議依頼したことから、立地評価会議は結果公表のタイミングを見極めていた。
立地評価会議の共同議長を務める山本均東北大教授は「日本学術会議の答申の方針が固まったので、候補地を発表して次のステップに進むのが最善と判断した」と説明した。
公表に先立ち、20日には評価の経緯や方法、基準などに関する説明会を東大で開く。
立地評価会議は、国内誘致を進める研究者組織ILC戦略会議がことし1月に設立。物理学などの研究者8人が2候補地の地盤の固さや地質の形状や社会インフラなどを比較、調査してきた。
研究者側の候補地一本化によって、今後は誘致の是非を検討している国の対応が焦点となる。国は9月に予定される日本学術会議の答申も参考に、誘致の是非や建設地などを判断する見通しだ。