国際交渉「構わない」 学術会議の家委員長、見解の趣旨語る

胆江日日新聞

 

 

国 際リニアコライダー(ILC)の国内誘致に関連し、日本学術会議(大西隆会長)の検討委員会の家泰弘委員長(東京大学教授)は8日、ILCの国内誘致 に慎重な姿勢を示したことの趣旨について、胆江日日新聞社の取材に応じ「政府が『ILCを日本に作ることを決める』というのがまだ早いということ。国際的 な交渉を進めることは構わないという意味だ」と答えた。

家委員長は今月6日の検討委終了後、個人的な総合所見と前置きした上で「数年かけて懸案事項をもう少しクリアにし、国際的な合意も詰めた上で、しかるべき時期にもう一度誘致の是非を考えるべきではないか」との考えを示していた。
この発言の趣旨について家委員長は、「政府が『ILCを日本に作るのを決める』というのが早いという意味だ」と強調。その上で、さまざまな問題点をクリアにするため、関係国間で協議や交渉すること自体は「構わない」とした。
6日の検討委第5回会合では、誘致に対する慎重姿勢が色濃く示された。会合終了後の家委員長の会見を受けた報道により、ILCの国内建設そのものにブレーキがかかったかのような印象が、有力候補地・北上山地を擁する本県の誘致関係者の間にも広まった。
ただ、検討委で指摘されたような費用負担や人材確保などの懸念事項は、国際交渉の中で合意形成すべき点であることは明らか。これらの作業が数年単位かかる ことは事前に分かっており、関係者の間では「今すぐ日本に作ること決めるとが時期尚早と言われるのは、当然と言えば当然。やるならば、十分に検討するよう に――とのことだろう」との見方もある。
国際交渉を進めること自体は否定しなかった家委員長だが、「まだ政府レベルにはならないと思う」とも述べている。
各国の費用負担や人材的な協力の在り方などについては、素粒子研究者や各国の科学担当省庁の中だけでは対応しきれない面も多い。いずれ政府間レベルの交渉 テーブルが設置されなければ、計画が前進しないのは明らかで、学術会議の検討結果を受けた政府がどう対応するかが注目される。