ILC誘致決議を採択 東北推進協

岩手日日新聞

 

 

東 北ILC推進協議会(代表・里見進東北大総長、高橋宏明東北経済連合会長)の総会は26日、仙台市内のホテルで開かれた。次世代加速器・国際リニアコ ライダー(ILC)の誘致機運盛り上げに向けた2013年度の事業計画などを決めたほか、本県南部を中心とする北上山地(北上高地)への誘致を求める決議 を採択。7月とされる国内候補地一本化を前に、達増拓也知事が提案した東京都での誘致アピールに向けた集会開催も満場一致で承認した。

 50団体から約100人が出席。里見代表が「北上はハード面の優位性はもちろん、都市機能面も仙台や盛岡の活動などで十分対応できると確信している。自信を持って候補地一本化を待ちたい」とあいさつした。

今 年度の事業計画は、研究会の開催や中高生向けの科学技術講座の開催、広報活動など。規約を改正し、新たに本県と県国際リニアコライダー推進協議会、宮 城県、仙台市の4者を理事に選任。達増知事と県国際リニアコライダー推進協の谷村邦久副会長、村井嘉浩宮城県知事らが誘致実現に向け一致団結して取り組む 決意を述べた。

決議は「科学技術的評価により国内候補地が北上山地に一本化された暁には、国家プロジェクトとしてILCの東北実現を強力に推進することを要望する」との内容。

東 京都での集会開催について達増知事は「国家プロジェクトとして位置付けられていない。東北のさまざまなポテンシャルを全国的にもアピールしてILCの 誘致に向けた機運の醸成を図りたい」と提案。村井知事も「国家プロジェクトの重要性を東北の方以外にも伝えることは意義がある」と語り、開催要望を後押し した。

候補地一本化へ熱く シンポで研究者ら講演

東北ILC推進協議会と先端加速器科 学技術推進協議会(AAA)共催の「先端加速器科学技術推進シンポジウム2013in東北」は26日、仙台市内のホ テルで開かれた。7月とみられるILCの国内の建設候補地一本化に向け、参加者は研究者や専門家の講演を通してILCの重要性、必要性を再認識。本県南部 を含む北上山地への誘致実現に期待を寄せた。

岩手、宮城両県や関係市町の代表、企業関係者ら約350人が参加。東北ILC推進協代表の高 橋宏明東北経済連合会長が「東日本大震災からの再生、復興を 果たしていくための象徴的なプロジェクトとしてILCが必要。東北の熱意を国に伝え、協議会としてILC実現に向け全力を注ぐ」とあいさつした。

講演したのは、高エネルギー加速器研究機構(KEK)機構長の鈴木厚人氏と元岩手県知事で日本創成会議座長の増田寛也氏、放射線医学総合研究所フェローの辻井博彦氏、先端加速器科学技術推進協議会大型プロジェクト部会長の山下了氏。

このうち、増田氏は視察したスイス・ジュネーブの欧州合同原子核研究機関(CERN=セルン)や周辺地域の現状を紹介しながら、誘致実現後のまちづくりの考え方について話した。

セルンでは、長期滞在する研究者の配偶者への就労支援が現在も解決できない課題になっていると説明。研究者や家族の受け入れについて「特別なことでない。地元のわれわれが『あればいいな』と考える生活環境を整備する視点が大切」と説いた。

山下氏は、ILCの日本への誘致の動きが加速しているとして、国内候補地の一本化について「一刻も早く一本化するべきだ。南だ北だといつまでもやってはいられない」と強調した。

一本化に向けては「技術的な観点を最大限に重視し、決定後はそれを最大限認めてもらいたい」と協力体制の維持・強化を要望。「オールジャパンが成立しない限り、プロジェクトはうまく進まないだろう」ともう一つの候補地の脊振山地(九州)との綱引きに警鐘を鳴らした。