岩手経済同友会と県国際リニアコライダー推進協議会共催の記念講演は25日、盛岡市のホテルで行われた。元県知事の増田寛也氏が「国際リニアコライダー(ILC)誘致実現に向けて」の演題で語り、研究者らが居住するための快適な生活環境整備の大切さを訴えた。
増田氏は、国際施設を地方に設置する必要性があることを持論にしている。記念講演ではILCの最新動向に触れる とともに、「4月末に岩手と九州の国内候補地2カ所の地質調査が完了する予定で、これらの基礎資料などから7月に国内候補地が一本化される。経済財政諮問 会議が策定する骨太の方針をターゲットにし、来年度予算概算要求につなげることが重要だ」との見通しを語った。
さらに「100年間は使用できる施設なので、次世代、次々世代のグローバル人材を輩出する源になる。民間ビジネスへの応用も期待でき、周辺に国際都市が生まれるため、基盤づくりをしっかり考えていってほしい」と強調した。
課題としては「ILCの認知度がまだ低く、一般に広げていく必要がある」と指摘した上で、「東北全体のポテンシャルの高さを示すことが大事。復興との関連も夢や形を明確にしていくことが重要なポイントになる」と述べた。