福岡県のグリーンアジア特区、300億円設備投資へ 小川知事

日本経済新聞

 

 

  福岡県の小川洋知事は18日、日本経済新聞のインタビューで県内の「グリーンアジア国際戦略総合特区」について、「今年度以降、300億 円規模の設備投資を見込んでいる」ことを明らかにした。県内立地企業の工場増設に比べ県外企業の進出が少ないことから、東京でのPR活動を強化する考えも 表明。先端技術を生かした地域経済の浮揚にも意欲を示した。

 今月23日で就任から2年となり、任期後半に入る小川知事は、今年度の重要課題の1つに「グリーンアジア特区への県外企業誘致のさらなる強化」を挙げた。

 これまで、特区内での設備投資で税制優遇の特例対象とした企業は14社。知事は「設備投資の合計が300億円に上り、300人の雇用を生み出した」と実績を強調した。さらに今年度以降、工場の新増設などの計画が現時点で300億円規模に上るとした。

 ただ、これまでの14社はもともと県内に立地する企業の設備増設が大半。県外企業の新規進出は自動車部品メーカーなど3社にとどまっている。

 このため、知事は今年度から、特区に特化した企業向け説明会を東京で開く方針を表明。従来、県外でのPRは福岡県出身の企業経営者らによる口コミや、県債発行に絡む投資家向け広報(IR)の一環にとどまっていたという。

 特区内での投資を地域経済の活性化につなげるため、「特区内企業と地場中小企業の連携強化」を図る考えも示した。双方の取引開始に結び付くようなマッチングの機会を設けるとともに、低利融資制度の積極的な活用で地場企業の設備投資を支援する。

 先端技術分野での県独自の取り組み強化にも言及した。水素エネルギー関連では、民間企業に県の施設の活用を促し「次世代自動車向けの燃料電池の開発を急ぐ」と述べた。素粒子分野の国際研究施設「国際リニアコライダー」の脊振山地への誘致に力を入れる方針も表明した。

  一方、県財政では今年度、中長期の「財政改革プラン」を定めることを明らかにした。県債残高が3兆3200億円(13年度末見通し)に膨ら むなど状況は厳しい。これまでも5カ年計画はあったが、消費増税や高齢化に伴う社会保障費の増加などを踏まえれば「単なる更新ではすまない。全く新しい考 え方でつくっていく」と強調した。