「地元の技術向上も」 唐津でILC講演会

佐賀新聞

佐 賀、福岡両県にまたがる脊振山地が有力候補地になっている次世代加速器「国際リニアコライダー(ILC)」誘致に向け、施設設置が検討されている地元 唐津市の期待が高まっている。15日は、都市計画と経済学の専門家がILC誘致に伴うまちづくりの観点から講演。滞在する研究者と家族が通う学校や病院な ど国際都市としての整備や、地場企業の技術革新が進む可能性を力説し、地元経済界や市民ら約160人が熱心に耳を傾けた。

誘致に必要な施設整備などをまとめた「サイエンスフロンティア九州構想」の策定に携わった佐賀大大学院の三島伸雄教授と、九州大大学院の高田仁准教授が講演した。

三島教授は約6千人の研究者とスタッフ、その家族を受け入れる社会基盤整備の必要性を指摘。外国語に対応した教育機関、医療・福祉の充実を図ることで地域の国際化や異文化に対する理解が進むメリットを強調した。

着工時期について「国の表明時期は不透明だが、今後2年間で設置場所を決めて設計を始め、建設開始は7~8年後になるのでは」との見通しを示した。

高 田准教授は、スイス・ジュネーブ郊外にある素粒子物理学の研究機関「CERN(セルン)」との取引によって地場企業の技術や信用力が高まり、海外展開 の契機になった事例を紹介。「ILCの技術開発は世界的企業だけで成立する話ではなく、地元の特色ある企業が参入する余地は十分ある」と話した。

講演を聴いた唐津鐵工所の竹尾啓助社長は「ILCは地元の技術系企業にとってビッグチャンス。既存の特殊技術やメンテナンス力、コストパフォーマンスなど得意分野を精査し、どうすれば大手と手を組むことができるか。企業の経営戦略が必要」と話した。

講演会はILC唐津推進協議会(会長・宮島清一唐津商工会議所会頭)が主催。6月8日は東京大の村山斉特任教授(理論物理学)が講演する。