メンバーは全員外国人 誘致見据えサポート委員会を発足(奥州市国際交流協会)

胆江日日新聞

国 際リニアコライダー(ILC)が実現した際に予測される地域の国際化に対応するため、市国際交流協会(佐藤剛会長)は29日、外国人市民だけで構成す る「インターナショナル“ILC”サポート委員会」を立ち上げた。初会合では現状で考えられる課題を協議したほか、委員長に米ジョージア州出身で水沢区の 英語講師ビル・ルイスさん(44)を選出した。外国人のニーズが高い生活サービスや地域住民の一員としての受け入れ対策など、必要とされる取り組みは多岐 に及ぶため、行政提言なども視野に活動を進める方針だ。

水沢地域交流館(アスピア)で開かれた初会合には、市内や住田町などに住む外国人市民6人が出席。前段、自身が移住し始めた直後に困ったことを発表し合った。
日常会話にとどまらず「賃貸住宅を貸してくれない」「鉄道の案内アナウンスは日本語だけ」「クレジットカードが使えない店が多い」といった、さまざまな障壁があったことを明かした。
このほか「自分が箸を使って食事をしていることに対し、いちいち驚いた反応をしてくる」「体育館や運動場はたくさんあるが、学校の部活動などに使われている。一般の人が余暇に自由に使っていいのか分からない」など、日本人住民には気付きにくい事柄も取り上げられた。
後半はILC実現後に必要な対策について協議。外国人も使いやすい交通網の整備や町内会行事参加への呼び掛け、英語以外の言語にも対応した案内設備や医療 環境など挙げられた。中には、大柄な体系の人が多いことから「サイズの大きな服や靴を購入できる店がほしい」という意見もあった。
まとまった意見や提言は小沢昌記市長らに示し、誘致実現後のまちづくりに活用してもらう考えだ。
ILC誘致が実現した場合、周辺地域にはピーク時で研究者と技術者だけでも3000人以上が集まると予想。その中には外国人が数多く含まれると見込まれ、一家そろって地域に中長期滞在することも考えられている。
市国際交流協の渡部千春事務局長は「先輩外国人市民である彼らが、このような形でILC計画に携わることは意義あること。今までは、ILCの施設概要や経 済効果などに関する講演会が多かったが、むしろ一般住民が深く関係し考える必要があるのは、こうした地域の国際化への対応や一人一人の心構え的なところだ と思う」と話している。