超大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」の誘致を実現しようと、宮城県庁で28日、高エネルギー加速器研究機構名誉教授で東北大研究推進本部の吉岡正和客員教授によるセミナーが開かれた。
吉岡教授は「世界の研究者の間で『日本にILCを整備してほしい』という期待が高まっている」と説明。東北の7国立大が誘致を進める大型放射光施設にも触れ「ILCと両輪となることで、東北で新たな物理の世界が開かれる」と両施設の整備に期待を示した。
産官学でつくる東北ILC推進協議会事務局の有原常裕氏も講演し「宮城、仙台は外国人研究者の居住地、玄関口としての拠点性が求められる」と地元の理解を求めた。
セミナーは宮城県、東北経済連合会などが主催。岩手、宮城両県の地方議員、企業関係者ら約450人が参加した。
ILCは全長31キロの地下トンネルに設置する世界最大の線形加速器で、国際協力で世界に1カ所造る計画。東北は岩手県南部・北上山地への誘致を想定している。
ILC(国 際リニアコライダー)アジア-九州推進会議(代表=有川節夫・九州大学総長、松尾新吾・九州経済連合会会長・九州電力相談役)は27日、 国会議員を対象にした同会議の設立報告会を都内で開いた。河村建夫衆院議員や保利耕輔衆院議員ら、多数の議員が出席し、ILCの九州への誘致に向けて団結 して活動を進めていくことを誓い合った。 (本紙13面より抜粋)