い わてILC加速器科学推進会議(亀卦川富夫代表幹事)は27日、大平尚県首席ILC推進監を招き、奥州市水沢区星ガ丘町の奥州宇宙遊学館で「ILC誘 致の現状と課題」と題した講演会を開いた。大平氏は国際リニアコライダー(ILC)の建設候補地一本化に向けた地元の対応について、国内研究者による「立 地評価会議」による評価をにらみ、北上山地(北上高地)の地質など条件の的確性を冷静に訴える必要性を語った。
講演会は同会議の総会に合わせて開催し、会員ら約60人が参加した。
大 平氏はILC実現の課題について「まずは国としてILCの日本誘致を明確にしてもらい、日本のリーダーシップに期待している欧州、米国と国際調整を開 始することが必要」と指摘し、候補地の評価に向けた地元の対応に関しては「失敗が許されない国際プロジェクトであり、北上山地は地質的に最適と自負してい る。立地評価会議に最適と判断された場合はオールジャパン態勢で推進するべきだ」と述べた。
ILCをめぐる国の現状については北海道東北 地方知事会、東北六県議会議長会、東北市長会など7団体が26日に行った要望活動を踏まえ「以前に比べる と、明らかに国の姿勢は変わっており、関係大臣も前向きになっている。今まではやらない理由ばかり言っていたが、どうやったらやれるかを考えるようになっ てきた」と感触を語った。
また、ILCの建設に対応したまちづくりに関して、同市国際交流協会がILC立地を視野に市内の外国人を対象に 開いた地域医療外国人サポーター研修会に 触れ、「これから立地課題の評価が行われるが、多言語医療をどうするかは必ず聞かれる項目。その時『やります』と書くのと『始まっています』と書くのとは 全く迫力が違う」と述べ、外国人と病院を橋渡しするボランティア養成の取り組みに感謝を込めた。