宮 城県の村井嘉浩知事や東北経済連合会の高橋宏明会長(東北電力会長)、東北大学の里見進総長らが26日、復興庁や文部科学省などを訪れ、超大型加速器「国 際リニアコライダー(ILC)」の東北地方への立地を要望した。復興庁では村井知事が根本匠復興相に要望書を手渡し「日本へ誘致することを安倍 (晋三)政権下でまず決め、東北が適地となれば、復興に貢献する大プロジェクトだから、北上山地(岩手県)への立地を早めに決定して支援してほしい」と訴 えた。 (本紙13面より抜粋)
宇 宙誕生の謎を探る次世代研究拠点、国際リニアコライダー(ILC)を福岡、佐賀両県にまたがる脊振山地へ誘致しようと両県の経済界や大学、自治体など でつくる「ILCアジア-九州推進会議」のメンバーが27日、東京都内のホテルで九州・山口選出の国会議員50人に誘致への協力を要請した。
推進会議の代表を務める九州経済連合会の松尾新吾会長、小川洋福岡県知事、古川康佐賀県知事らが出席。松尾氏は「人類の発展に意義ある施設を九州に、との思いで会議を立ち上げた。九州には充実した都市機能など優位性があり、支援をいただきたい」と呼びかけた。
ILCの建設推進議員連盟の河村建夫会長(衆院議員)は「まず政府がILCの重要性に気付き、日本に誘致しなければ。議連としても熱意を共有し、(政府への働きかけを)頑張りたい」と述べた。
国内のILC建設候補地は脊振山地と北上山地(岩手県)の2カ所。研究者による候補地評価書を参考に、政府が7月にも国内候補地を選定し、正式に立候補表明する。
海外では米国やスイス、ロシアも誘致に名乗りを上げており、国際研究者グループの評価と、政府間交渉で最終建設地が決まる。
安倍晋三首相は同日、首相官邸でILC計画推進組織「リニアコライダー・コラボレーション」のリン・エバンス氏やノーベル物理学賞受賞者の小柴昌俊氏と面会した。首相は「これ(ILC)は人類の夢です。こうした研究が発展し、活躍されることを期待しています」と語った。