ILC誘致へ推進協 県商議所連合会

読売新聞

県や経済団体などが脊振山地への誘致を目指している素粒子物理学の研究施設「国際リニアコライダー」(ILC)について、県商工会議所連合会は22日、ILC県推進協議会を設立した。国への誘致活動や市民向けの講演会などに取り組む。

ILC を巡っては、国内では、岩手、宮城両県にまたがる北上山地への誘致活動も展開されている。文部科学省は近く、省内に国の対応を検討するチー ムを設立する。連合会は、脊振山地での建設が地域の活性化につながるなどとして、協議会を設けて誘致活動を強化することにした。

設立総会で連合会の井田出海会長を協議会長に選出した。事務局は連合会に置き、機運を盛り上げるために、講演会やセミナーを開いたり、国への要望活動を行ったりする。

総会後の記者会見で井田会長は「脊振山地はアジア各地との交通が便利で、周辺の都市環境も整っている。経済効果だけでなく、子どもたちに夢を与えることになるので、誘致を成功させたい」と話した。

世界の科学者、次世代加速器建設へ新組織

日本経済新聞

 世界の科学者約1000人が22日、宇宙誕生の謎解明やヒッグス粒子の正体などを突き止めるための次世代加速器「国際リニアコライダー(ILC)」の建設に向けた新組織を立ち上げた。新組織はILC実現のための研究開発を進め、各国政府への参加などを働きかけていく。

 建設地は2015年ごろをメドに各国の政府間協議で決まる見通し。建設費は約8000億円が見込まれており、着工から完成まで10年ほどかかるとみられる。

 新組織は「リニアコライダー国際推進委員会」で、委員長には東京大学の駒宮幸男教授が就任した。

 ILCは地下の半円トンネルに、約31キロメートルの直線状の加速器を設置。電子とプラスの電荷を持った陽電子とをほぼ光の速さまで加速させて衝突させ、その際に生じる素粒子を検出器で詳しく調べる。

 ILC誘致を目指す日本国内では岩手県を中心にした北上山地と福岡、佐賀両県をまたがる脊振山地が建設候補地に挙がっている。現在、掘削調査が進められており、7月ごろをメドに最終候補地を一本化。今後、国内候補地の選定が活発化する。