次世代加速器:リニアコライダー実現求め科学者が新組織

毎日新聞

宇 宙誕生の謎に迫る大型実験施設「国際リニアコライダー」(ILC)の実現を求める世界の科学者たちが22日、国際研究を中心的に進める新たな組 織「リニアコライダー・コラボレーション」を設立した。日本を含む各国政府に建設への協力を働きかけ、施設の詳しい設計を進める。

カナダで開かれた発足式で、欧州合同原子核研究所(CERN)で円形加速器実験を率いた英国のリン・エバンス氏が責任者に就任。エバンス氏は「胸が躍るようなプロジェクト。日本で建築が着手できればと考えている」と述べた。

国内では、岩手県が北上山地に、佐賀、福岡両県が脊振(せふり)山地に誘致活動を開始。欧米でも誘致に向けた動きがある。 発足式に出席した高エネルギー加速器研究機構の鈴木厚人機構長は「国内2地点のどちらがよいか夏までに評価を示したい」と話した。

ILCは、電子と陽電子を光速近くまで加速して衝突させ、発生する素粒子を測定する次世代加速器。 ビッグバン直後の宇宙を再現し、質量の起源とされるヒッグス粒子や宇宙を覆う謎の暗黒物質の正体に迫る。実験設備は硬い岩盤の地下に掘る長さ約30キロの 直線トンネル内に設置する。立地選定に2〜3年、建設期間は約10年。建設費は少なくても約8300億円かかるという。