ILC誘致へ機運醸成 奥州市〜来月9日にシンポ

岩手日日新聞

奥 州市は、3月9日に同市江刺区の江刺体育文化会館で「国際リニアコライダー(ILC)シンポジウムinおうしゅう」を開催する。計画概要を広く市民に 周知するとともに、ILCを核にしたまちの将来像を描く機会として企画した。専門研究者による基調講演のほか、「ILCでこんな奥州市を創りたい!」を テーマにしたパネルディスカッションを行う。13日の定例会見で開催内容を発表した小沢昌記市長は「市民の意識に訴えかけていく作業の第一歩にしたい」と して機運醸成に努める考え。

シンポジウムは、ILCの東北誘致実現に向けた市の取り組みの一環。7月とも言われる国内候補地一本化に向け、候補地自治体として市民の理解、機運醸成を図ることなどを目的に開催する。

当日は午後1時30分から4時まで開催。入場無料で、約800人の来場を見込む。前半の約1時間はILC国際共同設計チームアジアディレクターで高エネルギー加速器研究機構(KEK)名誉教授の横谷馨氏が「ILCができたら?」と題して基調講演する。

後半はパネルディスカッションで、県首席ILC推進監の大平尚氏と県立水沢高校生徒(調整中)、千田精密工業取締役の千田ゆきえ氏、市国際交流協会長の佐藤剛氏、小沢市長がパネリストとして参加。ILCを核とした市の将来像について語り合う。

市政策企画課では、会場に来られない人のため、シンポジウムの様子をインターネット配信することも計画している。

定 例会見で小沢市長は「東北は新しいものをつくるための用意ができている。長期にわたり、研究者と住民が交流していくことによって地域が活性化してい く。歓迎の気持ち、意識醸成を図っていかなければならない」と述べ、シンポジウムの中でも来場者に訴えていく考えを強調した。

ILC誘致へ看板設置 花巻空港

岩手日日新聞

花巻市東宮野目のいわて花巻空港に、国際リニアコライダー(ILC)の東北地方への誘致に向けた看板がお目見えした。ILCについて広く知ってもらうのが狙いで、空港利用者らに誘致をアピールしている。

7 月ともみられているILCの国内候補地の一本化に向けて、建設候補地の一つである県南地方でより一層の周知を 図るため、県南広域振興局では各種広報事業を実施。同空港への看板の掲示もこの一環で、本県の空の玄関口である同空港に設置することで多くの利用者らに ILCについての関心を高めてもらうのが狙い。

看板は、同空港ターミナルビル1階の到着ロビー付近に掲示。縦130センチ、横190センチの大きさで、発光ダイオード(LED)による明かりで、ILCの地下構造のイメージとともに、「国際リニアコライダーを東北に」などの文字が記されている。

看板のそばには、ILCの仕組み、建設による波及効果などについてまとめたリーフレットも掲示、配置されている。ILCの東北地方への誘致に向け、県南広域振興局では「県内だけでなく、県外からの利用客の皆さまにILCについて広く知ってもらいたい」と話している。