ILC誘致 アピールへ〜東北推進協

岩手日日新聞

次 世代加速器・国際リニアコライダー(ILC)の誘致を目指す東北ILC推進協議会の国際学術都市調査研究分科会のメンバーは7日、一関市を訪れ、建設候補 地となっている北上山地(北上高地)付近や周辺地域を視察した。同分科会は研究者や技術者らの受け入れに向けたまちづくりの具体的ビジョンを3月末までに 取りまとめる予定。研究者らの国内候補一本化に向けた作業にアピールを強める。

訪れたのは、メンバーの一人でNPO法人とうほくPPP・PFI協会長の大村虔一氏。東北大大学院工学研究科教授を退官後、宮城県都市計画審議会長、同県国土利用審議会長などを歴任。現在は同県景観審議会長なども務める。

同推進協は2012年7月に「ILCを核とした東北の将来ビジョン」を策定。同分科会は地域経済の活性化も含め、民間活力を生かしたまちづくりの可能性を示すより具体的なまちづくりビジョンを年度内に策定する予定で準備を進めている。視察はその一環。

スタッフ3人とともに訪れた大村氏は、勝部修市長や担当幹部職員らの案内を受け、同市大東町大原の建設候補地のほか、東山町内の住宅団地や川崎町内の商業施設、狐禅寺地内の医療施設などをバスで巡った。

視察後は市総合体育館で意見交換し、勝部市長が地図を広げ改めて現地視察先などを説明。将来的な道路整備や住宅地整備などの考えも示した。研究者や家族の 居住環境については「枠をはめてくくることはしたくない。地域住民との共存は可能だと思う」と語り、区域を設定しない考えを示した。大村氏は「外国の人は (不便さなどで)日本人が見放した場所を好むこともある」と語り、豊かな自然環境が強みになると指摘した。

物資輸送や日常生活での移動に重要な道路網について大村氏は「今ある道路を効果的に活用した(ビジョンの)内容にしたい。関係する自治体が関わる連携のスタイルを固める必要もある」と県境にとらわれず、自治体が協力して有効な活用策を探る。

まちづくりビジョンには素粒子研究から派生する技術の産業分野への波及、震災復興との関連性生活環境や地域の文化、祭りなども盛り込みたい考え。大村氏は 「(生活環境、研究環境がいいという)北上山地の良さをアピールしていかなければいけない」と強調。「自然がいい形で残っている。これをどう維持しながら 研究できる地域にしていくかを構想にまとめたい」と話した。

勝部市長は「ありのままの状況に好印象を持っていただいた。(北上山地は整備が)これからだからこそ、研究者のニーズを踏まえたまちづくりが可能」と3月末にまとめられるビジョンに期待を寄せていた。

大村氏は同日、奥州市内も視察した。