東北大と岩手県が断層調査へ ILC候補地・北上山地

河北新報

 超大型の線形加速器「国際リニアコライダー(ILC)」の誘致を目指し、東北大と岩手県が3月、国内候補地の一つとなっている岩手県南部の北上山地で、活断層の有無を確かめる調査を実施することが1日、分かった。国が活断層の評価基準を厳しくしたことなどを受け、今夏に予定される国内候補地の一本化に備える。

 調査は、ILCの想定ルート(全長31~50キロ)が通る北上山地のうち、地表に現れたずれが大きい部分で行う。地質の専門家に委託し、地上踏査で活断層かどうかを見極める。調査費は約1000万円。
 具体的な調査地点は東北大が精査している。既に実施した航空レーザー測量の結果を基に、北上山地の立体画像を作成。解析して地層のずれなどを探す。
 北上山地には国内有数の安定した花こう岩が広がっている。これまで活断層は確認されていないが、政府の地震調査委員会は活断層の評価基準を見直し、より小さな断層も対象に全国の再評価を進めている。
 もう一つの国内候補地である九州の脊振山地(福岡、佐賀両県)では、九州大を中心に活断層の調査をしていることも、北上山地での調査実施の背景にある。
 東北大大学院理学研究科の山本均教授は「徹底的に怪しい部分を洗い出す。北上山地がILCに適していることを証明したい」と話す。
 国際協力で世界に1カ所建設するILCは、電子と陽電子を正面衝突させ、質量や宇宙の起源を探る。ナノ単位の精度が求められるため、安定した地盤が建設の絶対条件となっている。

◎超党派推進議連の新会長に河村氏

 超大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」の国内誘致を目指す超党派による建設推進議員連盟の総会が1日、衆院第2議員会館であり、国際科学拠点の創出に向けて働き掛けを強める方針を確認した。
 岩手のほか、青森、宮城の国会議員ら約100人が出席。新会長に自民党の河村建夫衆院議員を選出した後、研究機関や文部科学省の担当者がILC計画の現状などを説明した。
 議連はまず、政府予算にILC項目の明示を求める構え。先端加速器技術による医療・創薬、エネルギー環境分野への活用促進、各国からの研究者を受け入れる体制などの検討も進める。河村氏は「推進への理解を広げ、国家戦略として科学技術外交のモデルにしていきたい」と述べた。