外国市民も実現へ期待 水沢で初の英語講演会(ILC)

外国人市民らを対象とした国際リニアコライダー(ILC)講演会が19日、奥州宇宙遊学館(河野宣之館長)で開かれた。市国際交流協会(佐藤剛会 長)が主催。ILC国際研究チーム・アジア地区ディレクターを務めているKEK名誉教授の横谷馨氏が、素粒子研究の基礎知識やILCの概要などを英語で解 説した。北上山地が有力候補地となっているILCは、素粒子物理学の国際的な研究拠点に位置付けられており、聴講した外国人は「実現したら東北はとても素 晴らしい地域になるだろう」と期待を寄せた。

胆江地区とその周辺に暮らす英語圏出身の外国人市民12人が参加。このほか、県立水沢高校の生徒や一般市民、県議、市議ら約60人も詰め掛け、ILC計画への関心の高さをうかがわせた。

講演に先立ち、佐藤会長が「東京ではオリンピック、東北ではILCの誘致に一生懸命だ。オリンピックは2週間ほどで終了するのに対し、ILCは半世 紀近くにわたり科学研究の拠点となる。震災復興の面でもプラスになるだろう」。小沢昌記市長は「ILC誘致は経済や雇用にも大きな効果をもたらす。最先端 の発見でノーベル賞がこの地から誕生することもあり得る。誘致が実現し、外国人研究者が住むようになったら、ぜひ彼らをサポートしてほしい」と、ともに英 語であいさつした。

講演で横谷氏は、素粒子物理学の基礎知識やILCの必要性、どのような研究施設になるのかなどを分かりやすく解説した。横谷氏によると、専門家が集 まる学会などでは英語でやりとりするが、一般の外国人に英語でILCや物理学の基礎などを説明をする場面はほとんどなく、横谷氏自身にとっても初めての体 験となった。

参加者は「日本以外にも候補地はあるのか」「地震や電力不足の影響は大丈夫か」などと質問。横谷氏は「アメリカのシカゴ近郊やCERN(欧州原子核 研究機構)があるスイス、ロシア、ドイツなども候補に挙がっている」「東日本大震災の時は、確かに地上では大変な被害を受けたが、仙台市の地下鉄など地下 にある施設は大きな被害を受けなかった」などと説明した。

イギリス出身で北上市に住んでいるジャクソン・リーさん(26)は「とても分かりやすかった。もしILCがここに来たら、東北は世界中の人から見ても有名な場所になるし、経済的にも発展するのでは」と話していた。