風土計

岩手日報

聞き慣れない名前だが、ニオブという金属がある。主に製鉄の添加剤として使われているが、脇役的な存在

▼この金属、本県への誘致を目指す国際リニアコライダー(ILC)では主役として期待される。心臓部である加速空洞の材料となるからだ。空洞を極低温に冷却、超電導状態にして電子と陽電子を加速させる

▼茨城県つくば市の高エネルギー加速器研究機構(KEK)では、それら装置に関する技術開発が進められている。ILCは地下の長大なトンネルでビッグバンと同様の状態をつくり、宇宙誕生の謎に迫るのが狙い

▼世界最先端の研究と聞けば、想像も及ばない世界と思ってしまう。しかし、その実験装置は身近にある技術の積み重ねだ。ニオブを加工する際のプレス成形や溶接は、中小企業でも関われるレベルという

▼一関商工会議所が募集した視察団が先日、つくば市を訪れた。KEKの吉岡正和名誉教授は一行を前に「皆さんの会社が持っている技術を、どこかに生かせるかもしれない。遠慮なく相談してほしい」と呼びかけた。技術開発のヒントはどこにあるか分からないからだ

▼小惑星探査機「はやぶさ」の開発に町工場が貢献したように、宇宙の成り立ちを探る実験に、地場のものづくりの技が生かされるかもしれないと思うと夢が広がる。

(KEKより)超伝導加速器を使った逆コンプトン散乱によるX線生成実験に成功

KEKの超伝導リニアック試験施設(STF)で実施されている、小型高輝度光子ビーム発生装置の逆コンプトン散乱※1によるX線生成実験で、3月15日(金)、逆コンプトン散乱によるX線と確認できる信号を捉える事に成功しました。

 

小型高輝度光子ビーム発生装置は、超伝導加速によって加速した電子ビームを、4枚ミラー光共振器※2に蓄積されたレーザーパルスと正面衝突させることにより、逆コンプトン散乱を起こし、輝度の高いX線を生成します。この技術を超伝導加速器に応用し、X線の生成に成功したのは世界初となります。

4枚鏡共振器にレーザー光路(青線)を重ねて描いたイラスト図。電子ビームは右から左に進行し(桃色線)、レーザーと重なった所で正面衝突して、左方向にX線(緑線)を生成する。 ©Rey.Hori

STFに設置されている高輝度光子ビームの発生装置私たちの生活は、量子力学の法則に則った量子エレクトロニクス※3と いう性質が使われることで、様々な恩恵を受けています。この性質を「ビーム」として利用することで、ポストゲノム、ナノテク、原子レベルでの構造解析等、 研究の飛躍的な発展が期待できます。それを創薬や微量分析、電池の開発等へ応用することによる生活向上へつなげるための、実用的な装置開発に向けた開発研 究を行うことが、今回の実験の目的です。

装置開発における重要な課題が「高いエネルギー効率で、高品質・大強度(大電流)の電子ビームを 実現すること」でした。この電子ビームの実現に最も有効な手段が超伝導高周波加速器です。また、この技術は加速器の大幅な小型化にも寄与します。 KEKは、長年のリニアコライダー研究において、高度な超伝導加速技術が蓄積されています。今回の成果は、その超伝導加速技術の実用化に向けたスピンオフ の一例と言うことができ、装置の実用化に向けて大きく前進したと言うことができます。

本成果は、電子ビームとレーザーパルスの衝突による高輝度X線の発生とその応用を目指す文部科学省量子ビーム基盤技術開発プログラムの委託研究「超伝導加速による次世代小型高輝度光子ビーム源の開発」により得られたものです。

【用語解説】

※1 逆コンプトン散乱
光子が自由電子に衝突して自由電子にエネルギーを与える現象を「コンプトン散乱」と呼ぶ。一方で、 相対論的な速度で運動している電子と赤外線や可視光の波長の光子が衝突したときは、 電子のエネルギーが光子のエネルギーよりはるかに大きくなるため、電子が光子にエネルギーを与える。この現象を「逆コンプトン散乱」と呼ぶ。

4枚鏡共振器にレーザー光路(青線)を重ねて描いたイラスト図。電子ビームは右から左に進行し(桃色線)、レーザーと重なった所で正面衝突して、左方向にX線(緑線)を生成する。 ©Rey.Hori※2 4枚ミラー光共振器

4 枚の鏡を組み合わせてその光路が中央でクロスするようなリング共振器を構成すると、外から入射されたレーザーパルスを蓄積する事が容易になる。2枚鏡の共 振器にくらべて、電子ビームとの衝突点のレーザーサイズを絞った時でも非常に高い安定度をもって大きなパワーのレーザーを蓄積できる特徴をもつ。4枚鏡共 振器は電子ビームとの正面衝突(ヘッドオン衝突)に応用すると、安定度と蓄積できるパワーとで大きな輝度のX線生成が期待できる特徴をもつ。

※3 量子エレクトロニクス
原子、分子、イオンなどの量子力学的現象を積極的に制御して通信、計測、情報処理などに利用する科学技術の総称。1954年のメーザーの発明以来注目され始め、レーザーの発明によって飛躍的に発達した。

関連サイト

小型高輝度光子ビーム発生装置
超伝導RF試験施設 STF

ILC 通信68号が発行されました

ILC通信68号が発行されました。

巻 頭記事は「リニアコライダー・コラボレーション発足」。2月21日( 木)に、カナダ・トライアンフ研究所(バンクーバー市)で行われた国際会議で正式に発足した、世界のリニアコライダー活動を率いる新組織「リニアコライ ダー・コラボレーション( LCC)」について解説しています。

ぜひご一読下さい。

 

ILC通信ウェブサイト

ILCに関するラジオ番組が公開されました

平成25年2月18日~22日に岩手県の県南地域の3つのコミュニティFM局で「ラジオで学ぼうILC! ~国際リニア コライダー東北誘致にむけて~」が放送されました。奥州エフエムパーソナリティの高橋ゆきえさんと大平尚政策地域部首席ILC推進監との対談により、 ILCのあらましを紹介するものです。

岩手県ホームページから、この番組の音声ファイルをダウンロードして、聴取することができます。

  • 【第1回】ILCとは何か?
  • 【第2回】ILCが建設された場合
  • 【第3回】ILCの研究内容
  • 【第4回】ILC誘致を目指す取組
  • 【第5回】今後のILC誘致

ILC・国際リニアコライダーシンポジウム (岩手県)

日テレニュース

北 上山地が建設候補地に挙げられているILC・国際リニアコライダーの誘致を実現させようと奥州市でンポジウムが開かれた。シンポジウムでは、まずILC 国際共同設計チームアジアディレクターの横谷馨(よこやかおる)さんが「ILCができたら」と題して基調講演した。この後、奥州市の小沢市長や水沢高校の 生徒などがパネリストとして参加し、ILCを核とした奥州市の将来像について、話し合った。世界で1か所整備される国際リニアコライダーの建設地は日本が 有力と見られていて、今年7月頃に国内の候補地が一本化される。

3/28(木) 宮城県庁でILCセミナーが開催されます

3月28日(木)、宮城県庁2階講堂(宮城県仙台市)で、国際リニアコライダー(ILC)に関するセミナー「ILCの東北誘致を実現させよう!
ILC計画の概要と地域経済・産業への波及効果」が開催されます。

入場は無料。定員300名です。大型プロジェクト「ILC」の概要と、東北誘致が実現した場合の地域経済や産業・雇用への波及効果について、講演が行われます。詳しくはこちらをご覧下さい。
お誘い合わせのうえ、ぜひご参加下さい。

 

【日時】平成25年3月28日(木)13:30~15:30
※開演前の13:10より、ILCに関するDVDを上映。
【会場】宮城県庁2階講堂(仙台市青葉区本町3丁目8-1)

【講師】吉岡正和氏(高エネルギー加速器研究機構名誉教授) 有原常裕氏(東北ILC推進協議会)
【参加申込】参加申込みは、電子メール又はファクシミリで、氏名、会社名、住所(市町村まで)、電話番号を記載して申し込んでください。
【お問合せ先】宮城県震災復興政策課分権推進班 電話022-211-2409/FAX022-211-2493
電子メールアドレスseisakub@pref.miyagi.jp

3/23(土) 鳥栖市でILCに関するサイエンス・カフェが開催されます

3月13日(木)、サンメッセ鳥栖(佐賀県鳥栖市)でサイエンス・カフェ「加速器で広がる世界 ~人間・宇宙・国際リニアコライダー~」が開催されます。

参 加費は無料(ワンドリンクの注文が必要です)。定員は30名です。脊振も候補地になっている国際リニアコライダー計画の話題を中心に、社会で様々に活用さ れている加速器のことなどを、わかりやすく解説した後、来場者との意見交換が行われます。お誘い合わせのうえ、ぜひご参加下さい。

詳しくはこちらをご覧下さい。

【日時】平成25年3月23日(土)14:00~15:30
【話題提供】大森恒彦氏(大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構)
【会場】サンメッセ鳥栖 大会議室2 (鳥栖市本鳥栖町1819)
【定員】30名(入場無料:ワンドリンクのオーダーをお願いします)
【参加申込】 「第13回サイエンスカフェ参加希望」と明記し、氏名/連絡先/所属校(生徒・学生の方)を書いて、E-mail・FAXのいずれかの方法で       申し込んでください E-mail:sci-cafe@pref.saga.lg.jp FAX:0952-25-7282

【お問合せ先】佐賀県農林水産商工本部 ILC推進グループ

電話:0952-25-7421 ファックス:0952-25-7282
メールアドレス: ilc-g@pref.saga.lg.jp

■日時

平成25年3月23日(土曜日) 午後2時~3時30分

■場所

サンメッセ鳥栖 大会議室2 (鳥栖市本鳥栖町1819)

■内容

(1)話題提供

「加速器で広がる世界 ~人間・宇宙・国際リニアコライダー~」

話題提供者 高エネルギー加速器研究機構 講師

(2)意見交換

■募集定員

30名

■参加費

無料

■申し込み

3/20(水) 気仙沼市でILCの講演会が開催されます

3月13日(木)、気仙沼市地域交流センター(宮城県気仙沼市)で講演会「国際リニアコライダー誘致と気仙沼の未来」」が開催されます。

入場は無料。定員100名です。復興の取組を加速させるものとして東北ILC推進協議会を中心に東北への誘致活動が展開されている「ILC」について、市民の皆さまに広く知って頂くことを目的に実施されるものです。お誘い合わせのうえ、ぜひご参加下さい。

詳しくはこちらをご覧下さい。

【日時】平成25年3月20日(水・祝日)13:30~
【講師】吉岡正和氏(大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構名誉教授)
【会場】気仙沼市地域交流センター 大ホール(気仙沼市八日町一丁目1-10)
【定員】100名(入場無料)
【参加申込】 参加される方の住所・氏名・電話番号を電話・FAX・電子メールのいずれかで下記までお知らせください。 (定員になり次第締切)
【お問合せ先】気仙沼市震災復興・企画課 TEL 0226-22-3408 / FAX  0226-24-8605 / 電子メール kikaku@city.kesennuma.lg.jp

 

3/16(土) 唐津市でリニアコライダー講演会が開催されます

3月16日(土)、唐津シーサイドホテル(佐賀県唐津市)で、国際リニアコライダーに関する講演会が開催されます。この講演会は、宇宙の謎、ヒッグ ス粒子とは何か、そして国際リニアコライダーにどうつながるのか、といったトピックスをわかりやすく解説し、国際リニアコライダーに興味を持って頂くきっ かけづくりを目的としています。定員は150名で参加費は無料です。お誘い合わせのうえ、ぜひご参加下さい。詳細は、唐津市ウェブサイト、または唐津市企画政策課(TEL 0955-72-9115)まで。

 

■ 日時 平成25年3月16日(土曜日) 午後2時30分~午後5時 (開場:午後2時)

■ 会場 唐津シーサイドホテル(東唐津4丁目)[地図] 1階虹

■ お申し込み

代表者の人の氏名、団体・会社名、参加人数、電話番号を電話かファックス、Eメールでからつ大学交流連携センターに連絡してください。

からつ大学交流連携センター (受付:平日午前9時~午後6時)

TEL 0955-70-1515 / FAX 0955-70-1516 / Eメール fujioka@k-uip.co.jp

   内容(予定)


講演1 宇宙誕生の“なぞ”と“なぜ”

高橋智(たかはしとも)さん

佐賀大学理工学部准教授

講演2 ヒッグス粒子の発見!?と国際リニアコライダー計画について

山下了(やましたさとる)さん

東京大学素粒子物理国際研究センター准教授

メッセージ リニアコライダーと唐津の未来づくりに向けて

宮島清一(みやじませいいち)さん

唐津商工会議所会頭

 

問い合わせ


 

企画政策課 TEL 0955-72-9115