国際リニアコライダー計画とは

国際リニアコライダーとは

国際リニアコライダー(ILC)は、全長 30kmあまりの地下トンネルの中に設置される
巨大な加速器です。このトンネルの中央部で電子と陽電子を衝突させ、宇宙初期に迫る高いエネルギーの反応を作り出し、宇宙創成の謎、時間と空間の謎、質量の謎に迫ります。

 

「リニアコライダー」とは、「直線型衝突型加速器」を意味し、発案されたのは1960年代までさかのぼります。1980年代半ば頃から、精力的な研究が世界各国で始まりました。2004年に、各地で行われている計画をひとつにして、国際協力で「世界でひとつだけ」つくる加速器として「国際リニアコライダー(ILC)」の推進が将来加速器国際委員会(ICFA)で決定されました。その際に採用された加速方式が「超伝導加速方式」。希少金属であるニオブ製の加速空洞を使って、非常に効率的に粒子を加速する方法です。

 

2012年7月4日、欧州合同原子核研究機関(CERN:セルン)が、長く探し求められてきた素粒子「ヒッグス粒子」らしきものを発見した、と発表しました。ILCで調べることのできる物理学は非常に幅広いのですが、ヒッグス粒子の性質をより詳しく調べることは、ILCが最も得意とするものです。

 

ILC計画は、2012年12月に予定される加速器の技術設計報告書(Technical Design Report : TDR)および測定器の詳細ベースライン設計書(Detailed Baseline Design : DBD)の完成を目指し、ただいま進行中です。

 

詳しくは「ILCプロジェクト」ホームページおよび「KEKリニアコライダー推進室ホームページ」をご覧下さい。